卒論が書けず(書かず)、ドラマ『こっち向いてよ、向井くん』の2周目を見終わった。恋愛って何?、結婚って何?、幸せって何?と思わず考えさせられるとても面白いドラマだった。
今どきだなぁ、と思う場面は多かったが、それを象徴するのがこの二つだ。
「自分の人生を自分の力で生きていきたい」女性
と
「好きな人のために生きていきたい」男性
昭和後期までの価値観とは大きく異なるだろう(昭和後期生きたことないけど)。ついでに男性女性でくくるのもよくない。あくまで、主人公カップル(坂井戸さん・美和子と向井くん)と妹夫婦(カップル)(麻美と元気くん)の図式である。
この背景には、様々なものがあると思う。大きなものは、給与体系の変化と労働条件の男女格差縮小だと思う。高度経済成長期は、正規雇用が主流で、給与の中に家族を養えるだけの額が含まれていた。それが、90年代からの規制緩和で大幅に変化し、非正規雇用が拡大した。フェミニズム運動などの影響もあり、女性の社会進出が進み、労働条件の男女格差縮小がすすんでいる。女性も一人で生きていこうと思えば、生きていける時代になった。
都市部の高学歴女性ほど、この傾向は強いのではないだろうか。逆に男性は、経済力が頼りなくなってしまい、以前より優位に立てないのではないだろうか。「男なんだから一家を養う大黒柱に」という意識も当然薄い。家庭は二人で築いていくものだという意識の方が優勢だろう。
以前なら女々しいと言われていただろう。向井くんも元気くんもオラオラしておらず、女性に対して劣勢な恋愛をしている。自分の恋愛と重ね合わせて観てしまった。男だから~、女だから~、と言われずに、性別にとらわれずに恋愛できる世の中になるのかもしれない。恋愛の価値観が合う人と一緒にいたい。いずれは、恋愛したい人はすればいいし、したくない人はしなくていい世の中になるかもしれない。