緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

現段階で最も完璧な進学校指標

 高校や大学を評価する指標はたくさんある。たくさんありすぎて困るぐらいだ。ここで生粋の学歴厨(高校学校歴専攻)が現段階で最も完璧な進学校(超進学校)の指標について発表する。

 それは「(過去5年間の東大+京大+国公立医学部医学科の現役合格者数の平均)/(過去5年間の高校の卒業者数の平均)」で表せる「最難関大合格率」である。教育ジャーナリストのおおたとしまさは「『東大+京大+医学部』合格率」と呼んでいる。これを初めて見た時、雷で撃たれたような感覚に陥った。自分が求めてきた指標はこれだ!と。ぜひ見てほしい。

「東大+京大+医学部」合格率TOP50校ランキング 数でなく率で少数精鋭の隠れた名門校を見つけろ | 学校・受験 | 東洋経済オンライン

 本当にすごい。これを作成したおおたとしまさには敬意と最大限の感謝の気持ちを払いたい。本当に手間だったと思う。思いついてもやろうとは思わない。普段は取材に基づいて好き勝手なことを書いていて、(教育ジャーナリストなんてうさんくさい、でも羨ましい)と思っていたが、これをみて頭が上がらなくなった。

 東大合格者数ランキングなど視野が狭すぎて最悪だ。あれを指標にしているなら頭が弱いとしか言いようがない。少人数校不利であり、西日本不利である。合格率にすれば少人数校不利は解消されるが、西日本不利に変わりはない。

 東大+京大で西日本不利は解消されるが、最優秀層の医学部医学科への流失が押さえられていない。最優秀層の医学部医学科流れは別の問題として存在するがここでは割愛。

 現役合格にこだわることも大事だ。勉強期間が6年と7年(場合によっては3年と4年)では大きく異なる。

 また、単年では不十分だ。ばらつきが出やすいためである。そのため過去5年間の平均を用いる。

 私大を入れるのは論外である。複数の合格者実績を1人が抱えているため、合格率の参考にはならない。誇張された合格者数で受験生に夢を持たせるのは良くない。

 「東京一工」の一橋と東工大(そろそろ科学大)を入れるのはなしだ。東日本有利につながる。阪大と神戸大を入れるなら、議論の余地があるかもしれないが、東京・関西圏の有利につながる。

 旧帝大(北大・東北大・名古屋大・阪大・九大)をいれるかも議論の余地があるが、最難関と呼ぶなら学年の上位1%程度にしたいと思う。(2001年生まれは約120万人、東大3000人+京大2700人+国公立医学部医学科3500人-東大理Ⅲ97人-京大医学部102人で約9000人)

 というわけで、超進学校の指標として「『東大+京大+医学部』合格率」を提唱する。これでも地方不利を解消できていないが、現段階では最善だと思われる。地域に依って重みづけなどをすればいいかもしれないが、思いつかないので割愛。

 しかし、東大京大医学部というセレクトは入試偏差値にもとづくものであるため、この指標は偏差値至上主義を助長するものであり、既存の共通テスト+二次試験という試験重視の価値観を追認することになる。

 このランキングに載る学校を「良い学校」と呼ぶ気はさらさらない。教育の価値は一元的ではない。ただ、最難関大に合格しやすい環境であることは確かであるし、それが現代日本社会で一定の価値があり、"権力"の側に行くチケットであるとは思う。

 これは小4から学力偏差値至上主義が骨の髄まで染み渡り、高1から東京大学至上主義が染みついた生粋の学校歴厨が考えることであるということを忘れないでほしい。

 また、教育(特に学校教育)のゴールは一つではないことを主張していきたい。一元的な学力偏差値とかいう摩訶不思議な数値に踊らされないでほしい。きれいごとかもしれないが、社会には多様性が必要であり、他者を認め合うことが必要である。一つの価値基準でしかモノの価値を測れないことは貧しいことであり、多様な価値基準があることを多くの人が理解し、多様な価値基準を持つ必要がある。それが学校教育の目指すものではないだろうか。学校教育の目指すものは、民主主義の担い手である市民の育成想像力を基に他者と協働できる社会の担い手の育成だと思う。

「東大+京大+医学部」合格率ランキング(2017~2021年)

出典:https://toyokeizai.net/articles/-/579342?page=2