緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

好きなこととお金になること(教育学への入り口)

 中高生と進路の話をしていると、好きなことを仕事にしようとする話を聞く。最近は、声優やイラストレーター、プロゲーマーなどが多い気がする。

 中高生の頃に夢を持つことは大事だし、将来のことを考えているだけで偉いと思う。

 ただ、好きなことでお金が稼げるとは限らない。スポーツや芸術、娯楽の世界でお金を稼ぐのはとても難しい(多分)。

 日本では職業に関する教育が学校教育であまり行われない。お金を稼ぐということがどういうことかも学ぶ機会がほとんどない。そのため、理想の職業と現実の職業のギャップを埋める時期がいつか来る。しかし、それを学校教育で扱うことはない。せいぜい進路指導の時ぐらいだろう。高校での進路指導も、高校教員の場合は本人が大抵高学歴で、教員しか職業経験がなく、その高校の進路指導には詳しいが、その後の生徒の人生を知っているわけでは決してないため、どこまで当てになるのかは疑問である(すべての先生がそうというわけではないだろうが)。

 自分もアニメやVtuberが好きだが、それでお金が稼げるほど希少性のある”好き”ではない。ユーロビートやレトロ建築、旅行も好きだが、それでお金は稼げない。

 だから、自分は勉強して汎用性の高い稼げる能力を身につけたのかもしれない。そして、学問の中で好きな分野を作り、教育学を学修した。

 中高生に勉強する意味を聞かれた時に、「汎用性の高い能力をつけるため」といえば、わかってもらえるだろうか。稼げるやりたいこと、稼げる能力がはっきりしている人とだれにも負けない"好き"と能力がある人はそれをとことんやればいいが、そうではない人がやっておくべきは、あらゆる仕事につける可能性のある汎用性の高い能力を身につけることであり、それが小中校の勉強だろう。

 もちろんその小中校の勉強に意味があるのか考えることも勉強であり、教育学への入り口かもしれない。疑問に思った人は、ぜひ教育学に足を踏み入れてほしい。「学力とは?」「学習指導要領とは?」から始まり、「義務教育という制度」「競争と選抜」「能力主義」「評価」「学歴と職業・年収(進路形成・職業選択)」「海外との比較(制度・歴史・文化)」など様々な切り口で教育について考えている。