緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

国総試験(人間科学区分)を振り返る

 国家公務員試験に無事合格し、官庁訪問を終えた。

 官庁訪問を経て、総合職試験は足切りに過ぎないと学んだが、ここでは試験について振り返る。

 教育学専攻で国家公務員総合職試験を人間科学区分で受験した。今回の受験で、環境による影響の大きさを改めて知った。初めて受験において不利な側に立った。

 まずは情報格差。何から手を付けていいかわからない。いつまでに何をどこまでやればいいのか。参考書はどれを使えばいいのか。完全に独学だった。周りに受験生がいないのでスケジュール感が分からず、何をしたらいいかが明確ではないから、なかなか勉強が進まない。結局本腰を入れたのは年明けからだった。

 そして機会格差。公務員予備校では講座を開講しておらず、模試の回数も少ない。周りのレベルが分からない。法律区分や経済区分は2年生から対策する講座もある(それはさすがにやりすぎではないかとも思うが)。大学受験では大量に模試があったので、自分の実力を確認する機会が多かったが、公務員試験は専門択一の模試は2月の1回だけだった(受験者19人)。

 さらに仲間の少なさ。そもそも国総志望者の知り合いが少ないのに、人間科学区分の受験者は全くいなかった。唯一学部の先輩で受験する人がいたが、本命は来年度の院卒者試験なので、温度感は違った。

 地方の高校から難関大を目指すことの難しさを追体験した気分だった。

 面接対策も不足した。公務員講座に申し込んでいないと面接対策はしてもらえないのだ。民間就活をすればいいのだが、試験勉強に追われほとんどできなかった。

 しかし、自分の場合は、一個上と二個上に人間科学区分を受験し、合格した先輩を見つけ、過去問や教材をいただけた。面接対策は大学のキャリアセンターを頼った。論述試験は先輩に添削してもらった。頼れる人がいたこと、手伝ってもらえたことで試験に合格できたと思う。

 今回の受験で、いかに周りに頼れる人・モノがあるかが大事だと思った。それはお金で解決できることもあるし、お金をかけずとも頼れる場合もある。教育の地域格差で言えば、大学生が身近かどうか、OB/OGとつながりやすいかなどが解決の糸口になるかもしれないと思う。

 大学受験と公務員試験では性質が異なる面もあるが、目標を定め、達成のために計画を立て、効率よく勉強するという手順は同じだった。この一連の手順を学ぶのが大学受験だったのかもしれないといまは思う。