緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

「トー横」の子どもたち

 「トー横」には以前から関心を持っている。中学高校が歌舞伎町に近かったため中高生の頃から知っているエリアであること、若者たちの居場所機能を有している可能性があるからだ。

 自分もトー横を社会学の観点から参与観察などを行い分析したいと思うのだが、佐々木チワワさん’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究しているには敵わないので、他の視点から分析する。

 報道や数少ない書籍などで取り上げられているものを見る限りではあるが、「トー横」の子どもたちは雇用の不安定性、社会からの孤立、家庭の機能不全など様々な社会問題が表面化したものだと考える。

 トー横に集まる若者には、大きく3タイプに分かれるのではないかと考える。家庭環境が悪く家に居場所がない、虐待などで家が安全でないためトー横で過ごしているタイプ。家庭環境に問題はないが、友人関係や心理状態によって本人の精神衛生に問題があるタイプ。家庭環境も精神衛生も問題ないが、面白いもの見たさで集まっているタイプ。

 報道で取り上げられるのは、親からの虐待から逃げてきたケース。児童相談所はキャパオーバーで一時保護所も全く余裕がないようだ。

 報道やネット記事を読んでいると、気になる記述があった。

 高校にちゃんと通おうとした時期もあるけど、やっぱり当たり前のように虐待のない家庭で育った子たちには溶け込めませんでした(https://bunshun.jp/articles/-/60568?page=3

もともとメンヘラ体質で、家庭と学校での生活になじめないしつらい。そんな子たちがお互いに「わかるよ、わかるよ」と共感し合って、ある意味、慰め合う場だと思うんですよ。(https://toyokeizai.net/articles/-/473621?page=3

 「学校に馴染めない」がキーワードかもしれないと考えた。子どもは家庭と学校を主な居場所にするが、家庭で虐待を受けていると、学校も居場所として機能しなくなる可能性があることが分かる。その結果、トー横が居場所として機能するのだろう。

 歌舞伎町タワーの開業で、トー横は「浄化」されてしまったらしい。また見えにくいところに居場所機能がもぐってしまったように感じる。引き続き関心を持っていきたい。