緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

教育学者と政策が一致しないのはなぜか

 教育学を2年学んで、現代日本の学校教育制度は戦後に再構成され、産業界や保護者の影響を受けながら、変化していることが分かり、比較的よくできた制度だと思うようになった。もちろん、いじめや不登校発達障害の増加、教員の長時間労働など問題は山積しており、解決すべき問題はたくさんある。

 そこで思うのは、教育学者の提案と教育政策が一致しないのはなぜか、ということだ。研究者の論文を読めば、解決策が提示されていることがあり、それに従えばいいような気がするのに、実際の教育政策は迷走することが多い。共通テストの導入や教員の処遇改善などである。大学の研究費増額や高等教育無償化なども絶対にすべきことなのに、どうして政策にならないのか。

 1つはお金が必要だからだろう。予算が必要なら、その予算を取って来なければならない。それには財源と有権者の合意が必要である。特に国家予算であれば、国会での承認と財務省との折衝が必要だろう。

 もう1つは、政治や利権といった力学が発生するからだろう。実態はわからないが、現在の教育政策は首相官邸近辺で決定することが多いと聞く。

 教育学者の提案は、予算確保と政治的力学(?)をないものとした時のものであり、理想論といえば、理想論なのかもしれない。ただ、理想論は目指すべきものであり、現実の政策は少しでも理想に近づけたものにしたい。