緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

ATMを探し、行き着いた場所

 紆余曲折あって、北大病院にATMを使いに行った。ATMを見つけるのに手間取り、病院内をうろうろしていると様々な人とすれ違った。ランドセルを背負った小学生や、車いすの人、若い医師の人たち、お見舞いに来たであろう人、サーティワンアイスクリームを父親にねだる子ども、ピリピリしてそうな看護師、松葉杖をついた人、談笑しているご老人たち。

 そういえば、自分は人生で一度も大学病院に来たことがない。自分自身は大きなけがや病気をしていないし、家族も特別大きな病気になったことはないので、入院生活や通院は本の中の風景に過ぎなかった。それが今日現実味をもって感じられた。

 そして、病院にお世話になっていないことがとても幸せなことなのではないかと思った。もちろん、病院にいる人が不幸だといいたいわけではないが、健康のありがたさを少し感じた。母親がよく「あんたたちが無事に生まれてきて、元気に成長しているだけで幸せだ」とか「家族みんなが健康でいることって幸せなんだよ」と言っていた意味が少しだけわかった気がした。大学病院内は一階だったこともあり、沈んだ空気が流れているわけではないが、病院にくる人たちは何か身体に不調があってきている人ばかりだ。そう思うと何気ない日常に感謝する。