緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

メモリービターチョコレート

 大学の授業で数週間に渡ってグループワークをするので、同じグループの5人で自己紹介や雑談をした。

 そこに出身地が同じ男子がいた。高校名を聞くと中高一貫校である。小学校の同級生で行った子がいる気がする…、と思い、記憶からひねり出した名前を言うと、なんと! その子のサッカー仲間らしく、共通の知り合いが見つかった。

 世間は狭い。

 その彼は京大に進学したらしい。ま、負けた。というか天才じゃん。うちの小学校の同学年から京大現役合格がいるとは。頭がいい子だと噂には聞いていたが、すごい。

 なぜ彼の名前を覚えていたか。頭がいい(と聞いていた)という理由もあるのだが、それ以上に私の好きだった人と仲が良い子だったからだ。「〇〇は頭いいんだよ!」と彼女は自慢げに言っていた。それが私は悔しかった。が、確か彼と彼女は家が近所で、家族ぐるみの付き合いがあった気がする。そんな情報で気を紛らわせ、心の安寧を保っていた。得意分野の勉強では負けたくないし、恋でも負けたくない。どうでもいいが、とにかく、彼は私にとって少しだけ引っかかる存在だったのだ。そんな彼の情報を大学の授業のグループワーク中に知るなんて、世の中はわからない。苦い思い出と少しだけ苦い現実を味わった。