Nintendo switch版の人生ゲームは、Nintendo Switch版の オリジナルの人生ゲーム「人生ゲーム for Nintendo Switch」と2016年に発売されたボードゲームの人生ゲーム「ボードゲームそのまま」の2種類で遊ぶことができる。(任天堂HPより)
「人生ゲーム for Nintendo Switch」は様々な特徴がある。HPによれば、アバターを作れること、知力・体力・センスの能力ゲージがあること、職業を自分で選べること、恋愛ができること等が上がっている。オンラインになったことでできることが広がったため、マスに止まると選択肢を選べるようになっていたり、恋愛パートで好感度を高めたりすることができるようになっている。
今回の人生ゲームで注目したい点がいくつかある。
1点目は、子どもをつくることがゲームにおいて有利に働くことである。結婚後も相手との親密度を高めるマスに止まると子どもが産まれる仕組みになっており、子どもが産まれるとご祝儀が他プレイヤーからもらえ、成人すると給料日マスで子どもからの仕送りがボーナスとして入るようになる。養育費などは一切かからず、成人後は100~5000万程度を給料日マスで仕送りしてくれる存在になるのだ。これなら、子どもは産んだだけ得になる。
2点目は、結婚相手に同性も選べるようになっている点である。これはセクシャルマイノリティにも配慮されており、時代が変化したことが感じられた。
3点目は、仕事を重視するか、恋愛・家庭を重視するかコースが何回か選べるようになっている点である。これも今回からだと思われる。
4点目は、能力ゲージ(G~A,S)によって就ける職業が変わったり、昇進に影響したりする点だ。マスによって能力を高められることがあり、能力によって職や職内でのランクがへんかするのだ。
これらは、現代の価値規範によって生み出されていると同時に、遊ぶ人たちの価値規範を強化することになると思う。
ロマンティックラブ・イデオロギー(恋愛結婚至上主義)や多様なセクシュアリティへの配慮、キャリアにおける仕事か家庭の二者択一、子どもを持つことが当たり前という価値観(これはゲーム内だけかもしれない)、能力主義(能力によって職業選択・待遇が変わること)など、社会学的に非常に興味深かった。
人生ゲームはその時代の価値観を反映しているのだと強く感じた。
子どもに関して言えば、現代日本は「子育て罰」という言葉があるほど、子育てに対して経済的に厳しいとされている。特に教育費の家庭負担の割合が高いことである。ゲーム内では子どもがいることで経済的に豊かになるが、現実はその逆である。だからこれだけ少子化対策が叫ばれるのだろう。少子化は社会制度を変えることで解決するのではないかと安易に考えてしまった。
(卒論を進めなければいけないのにVtuberの人生ゲーム配信を4時間近く見ていたので、何か残さなくてはと思い執筆)