緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

教育にエビデンスを

 5年前に発売され、私が中3のときに読んだ「学力の経済学」を読み直した。著者は慶應義塾大学教授で教育経済学者の中室牧子氏だ。

 簡単にまとめると「日本の教育政策はもっとデータとエビデンスに基づいて議論しろ」ということである。確かに教育政策は誰もが自身の経験を基に主観的な主張を行うことができ、政策もイメージ先行で行われていた部分も大きい。これからは実験やデータを基に費用対効果の高い教育政策を立案していくべきだ。

 また、この本には様々な情報が散りばめられている。日本の教育関連費は年々減少していること、中3の学力の決定因子は親からの遺伝と環境が7割を占めること、社会に出てからは非認知スキルの方が必要になること、などである。

 この本は中高の社会の先生がゼミ形式の講習をしたときに課題図書に指定した本で、皆で一章ずつ議論しながら読み進めていった。その先生は開成→東大→東大院(教育学)という経歴を持つ先生で、その先生の講習を取ったことが、教育学に興味を持つきっかけになった。そういった意味では人生が方向づけられたといっても過言ではない。

 教育学は何をしているかイメージしにくいらしく、あまり人気がない。私は早い段階で教育学に触れる機会があり、教育学が専攻したくて旧帝大教育学部を志すようになった。「教育にエビデンスを」を忘れずに今後に活かしていきたい。