緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

死と涙

 ふと考えた。今、彼女が死んだら泣けるだろうか。泣けない気がする。まだ泣けるほどの間柄になっていないのかと思ったが、親が死んでも泣けない気がする。親が死んだ場合はたとえ一人暮らしでも生活が著しく変化するので、すぐには泣かせてくれないだろう。少し落ち着いてから泣く気がする。実感はあとから来るものだ。弟だったら泣くだろうか。わからない。死因にもよるのかもしれない。祖母が老衰で亡くなったときは、悲しくなかった。むしろこの世の理を一つ知った感覚だった。もちろんさびしいけど、いつか来るものだと祖母はよく言っていたので、それが来たのだと感じた。

 彼女が死んだ場合はどうだろうか。死因にもよるのか。いきなり亡くなってしまったら、衝撃が先かもしれない。どこか冷めているのか。冷めている自分をかっこいいと思っているのか。それか創造力の欠如か。まだかけがえのない人になっていないのか。と思ったが、病気などでじわじわ死がくると泣いてしまうだろう。最近そんな小説で号泣してしまったから。

 そんなどうでもいいことを考えていた。きっと今はとても恵まれた状況なのだろう。身近な人が誰も死から近くないから。