緑風渚の引き出し

若干ひねくれた大学生が22年の人生の中で思いついたことを書き残してます。

雪のエアポートと2022

 雪景色の快速エアポートに乗りながら、新千歳空港に向かうのは一年ぶりだと思い出す。年末ということもあり、スーツケースを持った乗客でいっぱいだ。普段のエアポートで座れないなんてことはありえないのに、今日のエアポートには何人もが立っている。かくいう自分もその一人だが。

 雪景色の札幌を車窓から眺めながら、今年も終わるのだと不意に実感した。

 2022年は楽しい年だった。恋人と過ごしてばかりの一年だった。もちろん他にもたくさんあった。1月には成人式があり、バレンタインデーは彼女と一緒に洞爺湖温泉に連泊し、春は18きっぷで帰省して、彼女と江ノ島デートをした。4月からは3年生になり、ゼミにたくさん顔を出し、たくさんの文献を読んだ。公務員試験の勉強を全くせず前期は終わり、夏休みに入った。本当は就活をするはずだが、彼女と過ごすのが楽しすぎて、将来のことを考えたくなくなった。お盆も帰省せず、彼女と過ごした。友達と北海道を巡った。道の駅スタンプラリーも買った。釧路、摩周、知床、旭川、西興部、美瑛、富良野、層雲峡、名寄、羽幌、留萌、増毛…。帰省したときには友達に会っては色んな話をした。後期は本ゼミを高等教育論に絞り、教職科目の授業ばかり受けている。公務員試験の勉強はせず、湧別に一週間行ったり、奥尻島奥尻高校を見に行ったりした。今が楽しすぎて、幸せすぎて、将来のことを考えなくなった。

 常にコロナとは隣り合わせだった。12月にはついに感染し、1週間ほど寝込んだ。その2週間後に彼女が感染し、年末に帰省できなくなった。

 考え方も色々変わった。将来への希望も変わった。総じて楽しい一年だったし、自分の人生の節目であったようにも感じる。今の恋人と人生を共にするかは別として、大きな影響を与えてくれた。

 新千歳空港にまもなく着く。飛行機なら片道900kmも1時間40分もあれば着いてしまう。時速500kmのなか、札幌駅で買った駅弁(空弁?)を食べるとしよう。旧型車両のエアポートでのんびり駅弁を食べる予定が、新型車両で座れなくなるとは思わなかった。人の多さからも年の瀬を感じる。